2017年01月04日

母の死とプラーナ〜末期癌の症例報告㊱〜

2016年1月3日
「午後5時46分 死亡を確認させていただきました」

正座した松本医師から、正式に母の死が告げられました。

享年八十三歳。

「お母さま良く頑張られたと思います。皆さんもよく尽くされていたと思います。これから病院に帰りスタッフと悲しみを共有したいと思います。何かあればお電話をいただければ力になります」

膣癌による多臓器不全でしたが、末期癌であるにも関わらず穏やかに天寿を全うした母を医師が称賛してくれました。

自宅で家族に見守られ、「私ほど幸せな人はいない」と言い残し、自然の摂理に従った穏やかな最期を迎えた母。その生涯を利他の精神で生きた母を私たちは誇りに思います。

昨日が1周忌でしたが、皆様のご厚情に厚く感謝申し上げます。

尚、新年のご挨拶は失礼させていただきます
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2016年12月26日

年末年始の診療日程


12月31日(土曜日)〜1月3日(火曜日)
まで 休 診 させていただきます。

尚、1月4日(水曜日)より平常通り診療致します。
皆様、良いお年をお迎えください。



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2016年12月21日

母の死とプラーナ〜末期癌の症例報告㉟〜


呼吸が停止していること、まばたきをしていないことを見届け、母の瞼を下げました。

人間は、誕生の時「おぎゃー」と“息を吐き”、最期は “息を吸い”この世を去ると聞いたことがあります。母の臨終を見届け”息を引き取る“という言葉が腑に落ちました。

点滴をしていなかったので、傷一つないきれいな肌にはむくみもありません。その顔はかつて見たことがないほど尊厳に満ち崇高さを湛えていました。

「お母さん、よく頑張ったね」
「楽になったねぇ」
「立派だったよ」
「長い間、本当にご苦労様でした」
「美智子ありがとう お前はよく働いてくれたなぁ」
「おばちゃん、ありがとう ありがとう」

目を閉じ呼吸を止めた母に話しかけていると自然に涙が流れました。
しかしそれは悲しみや喪失感の涙ではなく、母の人生に敬意をはらい、労わりと感謝の気持ちが具現化された涙でした。

呼吸が止まっても、人の耳は聞こえていると聞いたことがあります。
知人はマラソン大会で倒れた時、心停止・呼吸停止を来たしたことがあるそうです。体を動かすことは出来なかったそうですが「もうだめだわ」「臨終です」と医師やスタッフが会話しているのがはっきり聞こえたそうです。「蘇生してから事実確認をしたので間違いない」彼はそう話してくれました。

こうした臨死体験者の証言に照らし合わせると、たとえ生命反応はなくとも、母にも家族の言葉は聞こえていたかもしれません。しかしそれはおそらく肉体を離れたところだと思います。

しばし母と別れを惜しんだ後、名寄市風連国民健康保険診療所に電話をしました。すぐに医師と看護師さんが駆けつけてくれました。
posted by かず at 19:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 大村長生館の治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月10日

母の死とプラーナ〜末期癌の症例報告㉞〜


母の呼吸が次第に弱っていくのを家族で見守りました。

「何も心配いらない」
「安心して逝っていいんだよ」

「頑張れ」
「死ぬな」とは誰も言いません。

逝こうとする母を囲み、それぞれが優しく声をかけ、母の体に体温が伝わるよう寄り添います。
最期に穏やかで温かい場所を提供すること、それが見守る側ができる最後の仕事だと、皆が感じていました。

母の魂の指示にしたがい、プラーナも送りませんでした。

目は開いていますが、呼吸が静かに弱まっていきます。
小さな息をすっ・・と吸い、呼吸が止まるのを見届けました。
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2016年12月03日

母の死とプラーナ〜末期癌の症例報告㉝〜


「おかあさん着いたよ」
旭川から弟家族が到着しました。

大晦日から名寄に滞在し昨日旭川に帰ったばかりでしたが、危篤の報を受け、取るものも取り敢えずすぐさま駆けつけたのです。

もう声を出すことのできない母に、さかんに話しかけてくれます。
賑やかな会話に耳を傾けながら台所でお茶を入れていると、義妹が私を呼びにきました。

「おかさん、何か言いたいみたい」
義妹の呼びかけに、母が目を開け、口をパクパクさせているというのです。

母の枕元に戻りよく見ると、それは会話の意思表示ではなく下顎呼吸でした。

死の直前の呼吸は、下顎を使うことから「下顎呼吸」と呼ばれます。血圧が低下し、胸郭を使った呼吸が出来なくなるため、顎を使った呼吸に変わり、呼吸数が減少するのです。
それが数分から数十分続いた後に呼吸停止することが多いと、ターミナルケア専門のナースに聞いたことがあります。

「下顎呼吸だ。まずいな・・すぐ妹と親父を呼べ」
弟が、父と妹を呼びに大急ぎで家を出ました。

夜間の付き添いに供え、洗った髪を乾かしていたのでしょう、手にドライヤーを持ったままの妹と、除雪の雪煙で全身雪だらけの父が、母の枕元に駆けつけました。
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2016年11月22日

日本長生医学会札幌支部定例研究会のお知らせ


札幌支部11月定例研究会は
「物語に基づく医療・攻めの医療に向けて」です。
現代医療に疑問をお持ちの先生はふるってご参加ください。

<日時> 平成28年11月27日(日曜日)《13時開場》
     13時30分から16時まで講演、その後質疑応答
<会場> エルプラザ(札幌駅北口)
<講師> TMSジャパン代表 長谷川淳史先生
<演題>  物語に基づく医療6 攻めの医療に向けて
      〜腰痛の治療革命〜
      TMSジャパン・メソッド フェーズ3(腰痛治療プログラム)
<会費> 2,000円(当日会場にて)

【グランドルール】録音も写真撮影もOKですがビデオはご遠慮ください。



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2016年11月18日

臨時休診のお知らせ


11月19日(土曜日)は、
学会のため臨時休診させていただきます。

尚、11月21日(月曜日)から平常通り診療させていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い致します。

posted by かず at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | かく語れり(仏教概論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月08日

休診のお知らせ

横浜で開催される”第92回長生医学会”出席のため、

11月11日(金曜日)は、午後休診
11月12日(土曜日)は、休  診

尚、11月14日(月曜日)から平常通り診療いたします。

ご迷惑をおかけしますが、上記よろしくお願いいたします。
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2016年11月01日

日本長生医学会旭川支部 11月定例研究会のご案内


■日時:11月3日(文化の日)15:00〜17:00
■会場:旭川市4条通16丁目「大村長生館」駐車場有
  “鈴木セミナー Part2”
講師: 鈴 木 英 一  先生
皆様のご要望に応え、鈴木セミナーPart2を開催します。
鈴木先生の横軸への間接的なアプローチは、目から鱗、実践的と大好評でした。
今回は“頭蓋骨への働きかけ”を中心とした鈴木ワールドです♪

セミナー終了後、忘年会を開催します。
■忘年会 会場「にく焼 彦八」旭川市3条通16丁目
ニッケンハイツビル1F 
会費 5,000円

忘年会にご参加いただける先生は、11月1日までに
TEL0166(23)0818
FAX0166(23)9827
メールtulip@muh,biglobe,ne,jp
のいずれかで、大村までご連絡下さい。
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2016年10月29日

母の死とプラーナ〜末期癌の症例報告㉜〜


正月三が日にも関わらず駆けつけてくれたのは、名寄市風連国民健康保険診療所の内科医松本晋一郎先生と看護師さんでした。赤ひげ大賞の松田所長と共に、道北にある厳寒の盆地で、地域医療を年中無休体制で担う若きドクターとベテランナースです。

ドクターが到着した時、母の容態は落ち着き、穏やかな寝息を立てていました。

「今夜がヤマだと思います。今夜は泊まって付き添われた方がいいですね。何かあったら遠慮なく呼んでください」」母を診察した松本先生がそう言い残し、雪の中を帰りました。

その言葉に従い、妹は夜に備え入浴と仮眠をとりに自宅に戻りました。
父親は除雪のため外に出ています。

思いがけず、母と二人きりの時間が訪れました。
母のベッドの隣に体を横たえ目を閉じてみました。
物心がつくまで母と一緒に寝ていたはずですが、母の隣に寝るのは・・・いったい何十年振りでしょう。

そこには信じられないくらい穏やかな時間が静かに流れていました。

ふと視線に気付き目をあけると、いつのまにか目覚めた母が私を見つめています。
それから宙を見つめるような視線に変わりました。少し驚いたような顔ですが、それは恐れや混乱ではなく、畏敬の念で何かを見ているかのような表情です。

しかし私には、母の視線の先に何もとらえることは出来ませんでした。

古来より人生の最後に来ると言い伝えられる「お迎え」という文字が頭をよぎりました。
posted by かず at 08:07| Comment(0) | TrackBack(0) | かく語れり(仏教概論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする