2016年07月30日

母の死とプラーナ〜末期癌の症例報告㉓〜


母の治療を終え、名寄から旭川に車を走らせながら考えていました。
母の死後、家族の心と身体にどんな反応が現れるのだろうと。

長年の臨床経験から、内臓諸器官は特定の感情と深く結び付いていると感じます。
「腹が立つ」「胃が痛くなる」「胸やけがする」「鳥肌が立つ」・・といった形容があるように、主として否定的な感情は、内臓や皮膚などに反応が起きることが少なくありません。

あまりにも大きな怒りと悲しみから、膵臓を患い糖尿病になった患者さんがいます。
症例報告㉒でご紹介した“グリーフワークのプロセス”死に直面した時に起きる、第1段階の精神的ショック、第2段階の否認、第3段階のパニックなどがこれに属すると思われますが、どうやら膵臓はストレスに対するショックアブソーバーのような役割があるようです。

先日、母親の死をきっかけに、重度の肩関節痛に苦しむ患者さんがお見えになりました。まるで五十肩のように動きの制限された肩関節と、夜も眠れない疼痛に日常生活にも支障をきたし、強い消炎鎮痛剤も効果がないそうです。

こうした痛みは通常の筋骨格的アプローチでは治りません。当初は脊椎や頭蓋骨のゆがみ、筋膜の過度な緊張、交感神経優位の自覚症状などから、グリークワークプロセス第1段階と考えましたが、注意深く身体を観察すると、肝臓のところで私の手が止まりました。発汗が多く、毛髪も妙に油毛です。肝臓は神経系を通じ方と連絡しています。どうやら肝臓機能に問題が起きているようです。

「もしかすると、お母さんが亡くなったことで、ご自分を責めていませんか?」
一瞬驚いた表情を見せた彼女は、目に涙を溜めながら、癌で入院した母親が、病気ではなく、入院中の感染症で亡くなったことを話してくれました。痛みの原因は、母親を亡くした喪失感ではなく、入院を拒む母親を無理に入院させた自分を無意識に責めていることでした。

肝臓は脳とエネルギーをやり取りしているので、自己内部の葛藤に敏感に反応します。お母さんの死は寿命であり、寿命は人間の力の及ぶものでではないこと。百歩譲って彼女に罪があったとしても、数か月夜も寝られないくらい苦しんだことで、もう十分すぎるほど償ったのだと伝えました。

胆嚢を加圧し胆汁の排出を良くすると肩はすぐ挙上できるようになりました。自己否定でエネルギーを大量に消耗している肝臓への負担を減らすため、糖分や乳製品を控えることをアドバイスし、自分を許すことのできた彼女は、ほどなく肩の痛みから解放されました。

グリークワークプロセス第6段階の罪意識が肝臓に負担をかけ身体の痛みを引き起こしていた症例ですが、彼女に限らず、怒りや悲しみ、罪悪感といったネガティブな感情が内臓や骨格筋に負担をかけるケースは決して珍しいことではありません。
posted by かず at 08:31| Comment(0) | TrackBack(0) | かく語れり(仏教概論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月19日

休診のお知らせ

7月21日(木曜日)は、
上川神社御祭礼につき休 診させていただきます。

 尚、7月21日露店にお越しの方は
 ご自由に当院駐車場をご利用下さい。
posted by かず at 08:15| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月16日

母の死とプラーナ〜末期癌の症例報告㉒〜


「グリーフワーク(Griff Work)」という概念があります。
死別などで、大切な人を失い悲嘆に沈む心のプロセスと、やがてそれを乗り越え立ち直っていくプロセスを意味する言葉です。

「死への準備教育」を提唱したドイツの哲学博士アルフォンス・デーケンは、グリーフワークのプロセスを12の段階に分類しています。

1段階:精神的打撃
2段階:死という事実を否認する。
3段階:死に直面した恐怖によるパニック。
4段階:不当な苦しみを負わされたという感情から怒りを感じる。
5段階:周囲の人々や個人に対して、やり場のない敵意を示す
6段階:過去の行いを悔やみ自分を責める
7段階:故人がまだ生きているかのように思い込む
8段階:孤独感と抑鬱(健全な悲嘆のプロセスの一部分)
9段階:精神的混乱と空虚さ
10段階:自分の置かれた状況を受容しようとする
11段階:ユーモアと笑いの復活
12段階:悲嘆のプロセスを経て、より成熟した人格に成長する

「グリーフワークプロセス」の中にいると思われる患者さんは、心の葛藤だけでなく様々な身体的問題も併発していることが、臨床の場ではとてもよく分かります。それは倦怠感、動悸、睡眠障害、めまい、食欲不振、下痢、便秘といった不定愁訴だけでなく、腰痛や関節痛といった筋骨格系疾患、また内科系病態を訴えることも稀ではありません。
posted by かず at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 大村長生館の治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月09日

母の死とプラーナ〜末期癌の症例報告㉑〜


正直なところ、自分の仕事にターミナルケアに向くテクニックは不要と思っていました。

しかしこうして義父の死に向き合い、自らの手でチャクラスプレッドを実践し一番驚いたのは、術者である私が、死を神聖なものとして受け入れ、死を前にしても、冷静で穏やかな気持ちになれたことです。

ヒーリングタッチは、創始者ジャネット・メンゲンの看護研究と、アリス・ベイリー、ロザリン・ブリエール、ブルー・ジョイ、バーバラ・ブレナンといった、ヒーラーやエネルギー・ヒーリングにおける先駆者たちとの実践に基づき誕生したそうです。

アメリカ人の内科医 ブルー・ジョイMDの著書 “A map for the transformational journey: An Introduction to the Potentials for Healing with Body Energies“(変容の旅の地図・・とでも訳せばいいのでしょうか)には、身体エネルギーによるヒーリングの潜在力が紹介されています。またヒーリングタッチ認定プログラムは、米国ホリスティック看護師協会(AHNA)の承認を受けています。

興味深いのは、こうした西洋医学の申し子ともいえるドクターとナースが、東洋の智慧に目を向け体系付け実践していることです。しかし西洋医学の範疇を超えた“死の過程を経験している人に神聖な癒しを提供する”という崇高な目的の前には、死生観の違いを越え、西洋も東洋もないのだと思います。

母親に残された、僅かなエネルギーをサポートし、肉体・感情・思考・霊性(スピリット)の健全性を整えなくてはいけない時がやってきたようです。

7つのチャクラを丁重に広げ、母親を包むエネルギー層をクリアにしました。

今にも消えそうなエネルギー層は、長生医学の基本のき“プラーナが無くなった者は生命も終わる”を実感させるに十分でした。しかし不思議なことに、私の心の中から施術前に感じていた悲観や混乱が、施術後は消えていたのです。

義父の時もそうであったように、深い呼吸で気持ち良さそうに寝息を立てる母を見届け、なぜか幸せな気持ちで旭川に帰ることが出来ました。
posted by かず at 08:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 大村長生館の治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする